理学療法士×プロ格闘家が考える「亜鉛の摂取と格闘技」

亜鉛は人が生命を維持するために必要な摂取すべき必須のミネラルの一つ

しかし、毎年行われる厚生労働省の「国民健康・栄養調査」では

多くの年代で男女共に摂取量の平均が推奨量を下回っていることが多いとされる。

日本人の多くが慢性的な亜鉛不足と指摘されています。


亜鉛は細胞の生まれ変わりに大切な栄養素

亜鉛欠乏というと味覚に障害が出ると良く言われます。

亜鉛は細胞分裂細胞増殖に不可欠なミネラルですので

細胞の生まれ変わりが活発な部位の細胞に影響がでます。

亜鉛不足は、味を感じる味蕾という場所に存在する味のセンサーである味細胞に影響を及ぼしますが

味細胞は約4週間のサイクルで生まれ変わっているといわれています。

このため、味覚は亜鉛不足の影響を強く受け、味覚障害を引きおこします。


亜鉛は身体の健康に必須の栄養素

味細胞のように細胞の新陳代謝が著しい細胞として

皮膚粘膜などのターンオーバーに関与する細胞

免疫機能に関係がある細胞、精子形成に関係がある細胞などがあげられます。

亜鉛はそれらの細胞の新陳代謝を良好に保つのに役立っています。

不足するとそれらの細胞に影響を及ぼし

皮膚や爪、粘膜の異常、免疫力の低下、男性の生殖機能低下などを引き起こします。

乳幼児や子供では成長障害を起こすことがあるといわれています。


ダイエットや偏った食事には注意が必要

亜鉛は肉類、魚介類、豆類など多くの食品に含まれています

通常の食事をしていれば不足することは無いと言われています。

しかし、極端なダイエット、偏った食事は亜鉛欠乏を引き起こすことがあります

現代の日本人の亜鉛摂取量が推奨値を下回っているのは

度を過ぎたダイエットや

偏った食事が背景にあると言えるかもしれません。


夏のシーズン、格闘技で発汗した際には亜鉛摂取を意識

亜鉛は汗や尿から排泄されます。

キックボクシング・総合格闘技、ブラジリアン柔術等

格闘技の練習時には発汗が多く

亜鉛は不足しやすい栄養素と言えます。

格闘技の練習をしていて

風邪をひきやすい、疲れやすい、集中力が下がるなどの症状は

亜鉛不足が原因である可能性もありますので

不足しないよう気をつけることが大切です。

※亜鉛は過剰に摂取してもあまり影響はないといわれていますが、銅や鉄の吸収が悪くなり貧血を引き起こすことなどもありますので、サプリメントなどによる過剰摂取に気をつけるようにします。


亜鉛不足解消のための食事法

冒頭で亜鉛不足の方が多いという話がありましたが

現代の日本人の食生活が乱れていることが問題であり

バランスの良い食事を摂れば不足するような栄養素ではありません

主食主菜副菜をしっかりと意識するようにしていきます。

★主食とは ➡ ごはん、パン、麺類などの主にエネルギー源になる食品 

★主菜とは ➡ 肉、魚、卵、大豆などのタンパク質中心の食品

★副菜とは ➡ 野菜、キノコ、海藻などのビタミン・ミネラル・食物繊維を多く含む食品

特にこれから夏に向けて格闘技の練習では

発汗することが多くなります。

コンディション、体調維持のために規則正しい食生活と

亜鉛の摂取に気を付けて頂ければと思います!

ジムへのご質問、ご相談は公式lineから受け付けています。

最後まで読んで頂きありがとうございました!


記事の執筆者

阪本洋平(ピアレスウルフ代表)

理学療法士

総合格闘家/初代GRACHANライト級チャンピオン/第二代GRACHANフェザー級チャンピオン

パーソナルトレーナー

琉球大学理学部海洋自然科学科生物系卒業。琉球大学在学時代から総合格闘技のプロ選手として活動を開始。

その後自らの怪我や痛みの原因を知るため、茨城県立医療大学保健医療学部理学療法学科に入学。在学中も選手としての活動を継続する。

卒業後は理学療法士として茨城県内の総合病院に勤務する傍ら、初代GRACHANライト級チャンピオン(2016年)第2代GRACHANフェザー級チャンピオン(2017年)を獲得。

2023年4月、つくば市松代にキックボクシング・ブラジリアン柔術・総合格闘技ジム「ピアレスウルフ」パーソナルトレーニングジム「ピアレスウルフパーソナル」をオープン

阪本典子(スペシャルアドバイザー)

医学博士

大阪市立大学 医学研究科解剖学 博士課程修了

九州栄養福祉大学 名誉教授

九州栄養福祉大学 食物栄養学部 食物栄養学科 教授

近畿大学医学部 学内講師

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